オーストラリア英語のなまり?メルボルン5年の筆者が教える6の特徴

この記事を書いた人:とよっぴ
オーストラリアのメルボルン大学開発学(修士号)を卒業。オーストラリア在住歴は5年目になります。豪英語に関するお話や英語で躓きやすいポイントなど、わかりやすく解説していきます。

オーストラリア英語はなまりがあって大変!そんな話を聞いた人は少なくないと思います。

オーストラリアに留学予定のある方は「変なアクセント付いちゃったらどうしよう…」とか「アメリカやイギリスに行ってバカにされるんじゃないかな?」とか考えてしまいますよね。

「オーストラリア訛りだと英語の勉強にならないんじゃないかな?」なんて疑問や不安も浮かんでくると思います。

ここでは、オーストラリアのなまりについて、その代表的なものを6つ紹介するとともに、英語学習においてオーストラリアのなまりを、どの程度気にすべきかについても説明していきます。

オーストラリアの訛りは最初は誰もが苦労する

私がオーストラリアへ来た5年前、初めての海外で緊張している私を出迎えてくれたのは優しいオージーファミリーでした。

気さくで明るく、私のつたない英語も理解しようとしてくれて、英語を学ぶ最初の環境としては申し分ない環境できした。

しかし、問題だったのは、ホストの英語が一切わからなかったこと、、、。

中学・高校・大学の7年間を通して勉強してきた私の英語力は、ホストの前では見る影もありませんでした。

その中でも、忘れられないのは、ホストマザーと交わした初めての会話。

“We r gonna (are going to) have dinner with you today, alright?”

なんてことない、普通の一文です。簡単に理解できそうな英語です。しかし、私の耳にはこう聞こえていました。

“We are going to have dinner with you “TO DIE”, alright?”

全然Alrightではない…。ホストマザーの私に向ける満面の笑みとは裏腹に、私は違う意味で笑みを浮かべ、無言でその場に静止しました。

オーストラリアに留学すると、このような経験をする人は少なくありません。誰もが一度は経験することです。

オーストラリア英語のなまり6つの特徴

最初は誰もが苦労するオーストラリア英語のなまりですが、ポイントを押さえてしまえば苦労は激減します。

ここから、日本人が強く感じる6つの特徴を紹介していきます。

a(エイ)の発音がアイになる

上の例で紹介したToday(トゥデイ)の発音が「トゥダイ」に変わる現象です。

A(エイ)と発音する単語はかなりたくさんあり、日常会話でも頻繁に使用するので、耳にすることが比較的多い訛りです。

特にName(ネイム)やPay(ペイ)に関しては、オーストラリア訛りではそれぞれ「ナイム」「パイ」になるため、一瞬なんのことかわからなくなります。

例)
Today(トゥデイ)→トゥダイ
Pay(ペイ)→パイ
Name(ネイム)→ナイム
Shake(シェイク)→シャイク
Cake(ケイク)→カイク
Late(レイト)→ライト

Rがない(強く発音しない)

例えば、Shareという単語はアメリカでは「シェア」と言いますが、オーストラリアでは「シェー」とそのまま伸ばします。

Rがないと言うよりは、より簡単に話していると考えた方が良いと思います。

語尾に付く「R」はそのまま伸ばす傾向にあり、日常会話でも頻繁に耳にすることが多い訛りです。

ShareやCareは非常によく使う単語なので、発音をわかっていないと聞き取りが難しい場合があります。

例)
Share(シェア)→シェー
Air(エア)→エー
Care(ケア)→ケー
Fair(フェア)→フェー
Rare(レア)→レー

語末のRはa(ア)という発音に変わる

オーストラリア訛りでは単語の語尾に「er」「or」「ar」「ure」「our」はa(ア)という発音に変わります。

具体的には「ə(アとエの中間の発音)」がa(ア)に変化し、語尾を伸ばさない感じです。

例えば、「Cover」という単語は本来「カバー」と発音しますが、オージーイングリッシュでは「カバ」になります。

お店にコピーをお願いしに行く際「Do you need “cover” sheet?」とよく聞かれるので、頭に入れておくと聞き取りが比較的簡単になります。

オーストラリア人は短く省略して話すことが好きなので、スラング同様、普通の単語も短く切る傾向にあるのです。

例)
Cover(カバー)→カバ
Interstellar(インターステラー)→インターステラ
Creator(クリエイター)→クリエイタ
Infrastructure(インフラストラクチャー)→インフラストラクチャ
Colour (カラー)→カラ

Rが付け足されて発音される

一方で、Rを意図的に付け足すこともあり、Rを単語と単語の間に挟むことでスムーズに発音しやすくしています。

オーストラリア英語が聞き取れない1つの理由は、知っている単語やフレーズであってもこのRが途中に入ることで別のものとして聞こえてしまうからです。

聞き取りにくいな…と思った時のちょっとしたコツなのですが、聞き取ることのできた単語と単語の間にRを意図的に入れてみると、相手が発音した内容に近くなる場合が多々あります。

例)
I throw it away last night → I throw r it away last night

語尾をyやieで終わらせる

オーストラリアではBreakfast(朝食)のことをBrekie(ブレッキー)と言ったり、Biscuit(ビスケット)のことをBickyと呼んだりなど、語尾をyやieで終わらせてちょっぴりポップにする習慣があります。

知っている単語であっても最後が「イー」で終わっていると全く別の単語に聞こえます。

特に食べ物の名称はこの特徴が現れやすいため、カフェやレストランで働きたいと考えている人は最初はかなり苦労すると思いますが、慣れると「そういうものなんだな…」と自然に受け入れられるようになります。

例)
Breakfast(ブレックファスト) → Brekie(ブレッキー)
Biscuit(ビスケット) → Bicky(ビッキー)
Petrol(ペトロル) → Petty(ペティ)
Cigarette(シガレット)→ Cigi (シギー)
Chocolate(チョコレート)→ Chocky(チョキー)

語尾のgやtを発音しない

これこそ、まさに話しやすさを重視したオージーイングリッシュの特徴です。

語尾に付くgやtは基本的に発音しません。

付けない方が次の音を発音しやすく、会話がスムーズに流れるというのが理由のようです。

具体的には/ɪŋ/ の発音が /ən/という省略された音に変化します。

最初は聞き取るのも話すのも結構難しいのですが、慣れるとこちらの方が聞きやすく、喋る時もスラスラと流れるようになります。

例)
Thinking(シンキング)→ シンキン
Going(ゴーイング)→ ゴーイン
Current(カレント)→ カレン
Matter(マター)→ マダー

留学でオーストラリア訛りって大丈夫?

オーストラリアへの留学を考えているものの、訛りが気になって迷っているというは少なくないと思います。私も渡豪前は変な英語が身についてしまうのではないかととても不安でした。

しかし、実際にオーストラリアに来てみて思うのは「気にする必要はなかった」ということです。

オーストラリアに在住して5年になりますが、私の英語がオーストラリ英語に染まっているかというと、そうではありません。

オーストラリア訛りが強いことと、オーストラリア英語に染まることは全く別の話で、オーストラリア英語に染まるというのは、実は思っている以上に至難の技なのです。

もしオーストラリア英語に染まることができているとすれば、その時にはもうかなりの英語力が身についているはずです。

最近のオーストラリア英語

近年のオーストラリア英語は訛りが少なくなってきており、特に都市部や若者世代ではそこまで強い訛りを使用することは少なくなってきています。

シドニーやメルボルンではスラングも使用頻度は減ってきており、オージーイングリッシュの代表例であるG’day(グダイ)”Good day”を耳にすることもそこまでありません。

日本語であっても地方によって博多弁や関西弁、秋田弁など、古今東西様々な方言がありますが、お互いに会話をしようとすると標準語で話をすると思います。

オーストラリアでも同じような現象が起こっているのです。

そのため、英語を学ぶ環境としてオーストラリアの訛り(なまり)を気にする必要は、ほとんどありません。

 

さいごに:訛り(なまり)は個性

オーストラリアの訛りについて、その代表的なものを6つと、英語学習においてのオーストラリアのなまりについて説明してきました。

訛りについては、紹介した6つの訛りを押さえておけば、苦労する場面は、激減すると思います。

また、英語学習において、オーストラリアの訛りについては必要以上に気にする必要はありません。

さいごに、留学先としてオーストラリアを検討されている方に心に留めておいて欲しいのは、訛りは個性である、ということです。

オーストラリアにはいろんな国から移住してきた人がたくさんいて、あらゆる訛りやアクセントが飛び交っています。フランス人はhを発音しないため Horror(ホラー)がオラーになりますし、韓国人はTu(ツ)の発音がチュになります。

日本人もLとRの区別が苦手で発音できない人はたくさんいて、どの国から来た人も母国語の影響を多分に受けています。それは決して恥ずかしいことではなく、むしろ、その人を表す一種の個性です。

それよりも、コミュニケーションを積極的に取ろうとしているかどうかが日常ではとても重要になります。

国際化が進む中で様々な英語を理解することは、同時に多文化への理解を深めるということでもありますし、オーストラリアは人種のルツボなので、とても恵まれた環境です。

オーストラリア訛りがあなたの留学のちょっとしたスパイスとなることを、心から願っています。

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